本田とアイコンタクトを取り、カフェに移動しはじめると、
ポケットの中の携帯電話が小刻みにバイブレーション。
ターゲットがキョロキョロと街を見ているスキにメールをチェック。
送信者:本田『待ち合わせは男? どこに移動すんだ? 状況は?』
ターゲットに悟られることのないようにブラインドタッチ。
送信者:秋山『不明。カフェに移動。隣で聞いてくれ』
間もなくカフェに入店する。ターゲットがケーキと紅茶をオーダーし終えた頃に、
本田が隣の席に着き聞き耳を立てはじめる。
古今東西、人間、とくに女性は甘いものには弱い。ターゲットもまたしかり。
気が緩んでリラックス状態になっていきました。
つでにチョコパも追加オーダーし、トドメの一撃を加える。
もうターゲットは入れ食い状態バイ!
ターゲット「そう言えば、九州には何しに来てたんですか?仕事ですか?」
秋山 「あぁ~言い忘れてたけど、大学は九州なんだよね」
ターゲット 「えっどこの大学ですか?」
秋山 「○○大学」
ターゲット「えぇ~頭良いんですね!」
<食いついてきたバイ>
秋山「途中で辞めたし、たいしたことないよ」
ターゲット「もったいなぁ~い。何で辞めたんですか?」
秋山 「親父の会社がチョットね…」
ターゲット「お父さんの会社? あっそうだ!△△ちゃんの元彼も○○大学なんですよ」
秋山「△△ちゃん?」
ターゲット「あっゴメンなさい。今待っている高校の同級生なんですけど、
△△ちゃんの元彼も○○大学なんですよ。あっ、お兄さんいくつですか?
あっ、その前に名前は?」
秋山「コウヘイ、25歳だよ。」
<友達=女と判明。ちなみにこっちは偽名かつ年齢詐称バイ>
ターゲット 「■■君と一緒の歳だ! ■■君知ってますか?」
秋山 「ん~、わかんないねぇ。学部が違うんじゃないかな?」
ターゲット「じゃ▼▼君は?確か××先輩も○○大学だったし、☆☆ちゃんのお兄さんも…(割愛)」
秋山「そ、そんあことよりさあ、もっと面白い話しようよ(汗)」
古今東西、女性は学歴に弱いらしい。しかし、○○大学がココまでツボにハマるとは…。
秋山が相槌を打つ間もないくらいに喋りまくるターゲット。
<彼氏、つまり依頼人の話>
容姿や性格などは申し分ないが、経済力を考えると結婚に踏み切れない。
ドライやねぇ…。彼は、まだ若いから収入は伸びるだろうとか、
経済力はあっても愛せない相手と結婚するなんて不毛だとか、
精一杯、依頼人をプッシュしておく。
と、そこへ、ようやくターゲットの友達から連絡が入った。○○大学の元彼がいる△△ちゃんだ。
カフェを出て△△ちゃんが待つ新宿東口に向かう。
秋山「この後はどうするの?」
ターゲット「奮発していいホテルを取ったから、お菓子を買い込んで友達とホテルに帰る!」
念のために東口まで一緒に行き、ターゲットの友達、△△ちゃんに挨拶。
ターゲット「あ、この人がケーキご馳走してくれたの。○○大学出身なんだって!」
もうよかバイ! そそくさと現場を立ち去り、無事、愛情度チェック終了。
依頼人様、ターゲットはシロでしたよ! でも、経済力をつけるよう努力してくださいね。
ホテルまでの尾行は所長と本田に任せて、一足先に事務所に戻る秋山。
緊張の糸が切れたとたん、所長や本田が怖くなってきた。
いつもノー天気な所長やヘラヘラしている本田が、
実はこんなに大変な事をしてたのかぁ…。
あ、ふたりが戻ってきた。
所長「どうだった? 楽勝だったでしょ?」
本田「オレならもっと早く聞き出しちゃうけどなあ」
やっぱ、この人ら、フツーやなか