棚に置いてあっても、なかなか出ないお酒ってあるんだよなぁ。馴染みが少ないからか、流行がきていないからか、とにかく勧めないで黙ってると注文が全然、入らない。その代表格がハーブ酒。
薬草の匂いが強烈で好き嫌いが別れるというのもあるが、何よりどう対応していいのかわからない存在感に包まれている酒だからかもしれないが…。
例えば、修道士が開発した胃薬が素になってたりするなど、ハーブ酒には古~い歴史を背負った酒が少なくない。それこそ、逸話も数知れず。おまけに、中世ヨーロッパを現代に持ち込んだような風情は、何ともミステリアス。そんなハーブ酒のひとつにペルノという酒がある。知る人ぞ知る玄人好みのハーブ酒だ。なぜかというと、伝説の酒『アブサン』を現代に伝える唯一無二のハーブ酒だからなのだ!
『アブサン』とは、ある医者がニガヨモギを原料として独自の蒸留方法で作った薬用酒で、この製法をアンリ・ルイ・ペルノーという人物に売却したことから、18世紀後半以降、"アブサン=ペルノ"として認識されるようになった酒のこと。
ところで、何故に『アブサン』が伝説の酒なのかというと、ニガヨモギの香味成分であるツヨンが、幻覚などの向精神作用を引き起こすことがわかり、20世紀初頭に製造禁止となったからなのだ。当時は、フランスのあらゆるカフェに置かれており、画家、作家、詩人など多くの芸術家などに愛飲されていた『アブサン』
魅力的な色と感性を刺激する作用から、「緑の詩神」「緑の妖精」と呼ばれる人気の酒だったのだが、一方で多くの"アブサン中毒者"を出たことでも知られる悪名高い酒なのだ。とくに、有名画家のゴッホが『アブサン』で身を滅ぼしたという話は有名だ。
時を経て、第一次世界大戦後に『アブサン』を復活させたのが、本家ブランドのペルノだったんだなぁ…。ニガヨモギは使えないので、代替としてアニスをはじめとする15種類以上のハーブを配合。"伝説の風味"を再現することに成功させたというわけ! つまり、現代で『アブサン』を堪能することができるのは、このペルノアブサンしかないということなのだ! ただし、アルコール度数は68度と強烈なので、覚悟して飲んでいただく必要はあるのが…。
とにもかくにも、食わず嫌いは不幸の極み。
まだ試したことがないという方は、一歩、踏み込んで魅惑のハーブ酒をい楽しまれてみてはいかが?