探偵に一番必要なもの。それは、体力。しかし、はっきり言って褒められた食生活ではない…。
でも、たまには、ご馳走を食べたい。
そんな折、出掛けた先で女探偵・石川は、"超健康魔人"と遭遇した…。
「老けましたね。」
久しぶりの知人に会うと必ず言われてしまうこのひと言。
探偵の仕事は絶対に体に悪い。早朝から張り込みをする日もあれば、真夜中の仕事が続くこともある。2日くらいなら交代なしで、ずっと張り込みなんてザラだもん…。
探偵になって早5年。私の体重は10キロ増えてしまった。うちのスタッフは、入社してから激痩せor激太りのどちらかだったりする。
コンビニ・ラーメン屋・ファミレス。この3つが私の胃袋を支えている。特に、コンビニはヘビーユーザー。
「防腐剤をたっぷりとってるから、私たちが死んだらきっと腐らないよね」
なんてギャグがしょっちゅう飛び交っている。笑えない…。
そんな私でも、とあるハンバーガー屋には暇なときはよく行く。
「フランクリン・アベニュー」という五反田にある店がそれ。1個1000円は軽くする超高級なハンバーガーを売っているハイソな店なのです。
たまには、贅沢したいもの。そして、とある日、店を訪れた私は、巨体を揺らしながら現れた"超健康魔人" と遭遇したのです!
その名は、ザ・ビースト・Mr.ボブ・サップ! どうやら、彼も、このお店がお気に入りみたい。トレーニングウエアを身に纏い、マネージャーと伴に現れました。このマネージャーが、なんだか"ミニ・サップ"みたいな日本人で、妙に愛嬌がありました。
注文したハンバーガーを手にすると、豪快に食べはじめたサップ。
すると、その様子をうかがってた3人のファンが近寄っていきました。若い夫婦とその母親といった感じ。あらら、写真撮影まで頼んでる!
これが、私は苦手。隠し撮りは得意なのに、正面から撮らせてもらうのは気恥ずかしくて。いいなあ…。
サップは、突然、声を掛けられたにも関わらず、立ち上がってポーズをとったりしてました。女性の肩に手をまわしてすっごいニコニコして。
エ、エライ! 最近、試合の方はイマイチみたいだけど、そのサービス精神は素晴らしい!と、心の中で絶賛してました。
タレントに専念しても絶対うまくいく、私はそう確信しましたね。
アレ? 女性が連れの男性と代わったとたんに笑顔が消えた。ちょっとやる気なさそうに、ガッツポーズ。ウフ。何かカワイイ。サップも一皮剥けば、フツーの男性と変わらないのかも。なんだか勝手に親近感が湧いてしまいました。
探偵と有名人。思いっきり正反対だけど、人目を気にしてコソコソしてしまうところは一緒かも。
サップの場合は、コソコソしようがないけど(笑)。
そう思いながら、ひとりニヤつき、店を跡にした私でした…