ここ最近増えてきた同性カップルの別れさせや復縁相談。その理由と依頼者に必要な心構え

同性カップルの別れさせや復縁の相談はレアケースの部類に入っていて、月に1件程度というものでした。
しかし、この2~3週間で5件の問い合わせがあり、ずいぶん増えたという印象です。
既婚者男性が妻が女性と不倫をしているので別れさせたいと悩んでいる。
また、既婚者女性と交際していた女性が別れを切り出されたので復縁したいというような内容でした。
いったいどうして増えたのでしょうか。
それには理由があったのです。

同性カップルに関する相談が増えたきっかけはある男性が起こした損害賠償請求の訴訟にあった

先月中旬、東京地裁で画期的な判決が出たのです。
ある男性が自分の妻と不倫していた女性に対して、同性であっても不貞行為だと訴えていました。
これまでは法律家の間では、既婚者が同性と不倫したとしても不貞行為には該当しないという見解でした。
ところが今回は異性の不倫同様に同性であったとしても不貞行為であるとして、慰謝料請求を認めたのです。
考えてみれば、同性カップルも法的に保護され、家族として認められるような社会になってきています。
同時にそれは、同性同士であっても不倫であれば、既存の夫婦の関係性を脅かす可能性があると言えるのです。
同性同士の恋愛や家族を認めて、不倫の場合には同性同士だから許される。
こうなってしまうと、矛盾してしまうので、このような判決になったのでしょう。
権利が認められるということは、責任も伴うということなんでしょう。
同性同士でも異性同士と変わらないことがはっきりしたことで、その問題で悩んでいた人が背中を押されて、動き始めたというわけなのです。
同性同士の恋愛なのでどうしていいか分からない。
悶々と悩んで過ごしていた人が、不倫と同じなんだということを知り、別れさせたいと相談してくるケースがほとんどです。
この判決をきっかけに普通の不倫と同じようにリスクがあると感じて、妻が同性の不倫相手に別れを告げた。
その同性の不倫相手が相談者で、振られた妻と復縁したいという問い合わせもありました。

同性同士だから普通の異性同士の不倫よりは軽いから放っておこうという考え方は甘い

もし妻が女性と不倫していたら…。
怒りよりもむしろ戸惑いのほうが大きいと思います。
証拠を突き付けても女性同士だからいくらでも言い訳できて逃げられる。
見たくもない聞きたくもないことを知ってしまった。
怒りの矛先をどこにぶつけていいものやらと悩んだ末に、同性同士だからそのうち何事もなかったように問題は解決する、別れるだろう。
そうやって、問題を先延ばし、触れずに放置したりするような人が多いのです。
しかし、同性同士だからこそ、厄介なのです。
法的にも権利も認められてきたとはいえ、マイノリティーですから、精神的な結びつきはとても強い。
しかも、簡単に相手を見つけられるわけではなく、別れて他を見つけようという気軽な関係でもないのです。
そのため、異性同士の不倫よりは別れにくく、しかも、お互いが依存しあってしまって、長く続く可能性が高いのです。
そうなると、実生活に及ぼす影響は大きく、放っておくと取り返しのつかないことになります。
ある時を境に妻が子供はいらないと言い始めた。
それまでは普通に子供を望んでいて、将来設計もしていたのに、態度が急変して、夜の営みも拒否するようになった。
女友達と出かけるといって、帰宅時間は遅くなり、週に2~3日帰らないこともある。
女性同士と言うことで、いくらでも口実が作れるわけで、普通の不倫よりも自由が利くわけです。
そして、家庭を顧みないような生活状態が続いたりするのです。
この不倫は軽いというよりもむしろ重い。
そして、別れさせ工作の難易度も高いということをしっかりと認識すべきでしょう。
一概には言えませんが、心当たりのある人はこれを機会に是非とも真剣に考えてもらいたいものです。